「NICHIAではたらく」を知るマガジンNICHIA'S VOICENICHIA'S VOICE

研究/技術

2025.05.09

【異職種対談】多彩な専門分野のスペシャリストたちが総合力でNICHIAを支える

MEMBER

  • K.T.

    法知本部 知財部 知財出願一課

    K.T.(2021年入社)

    主に特許出願や審査対応、他社のクリアランス調査などを担当。
  • J.M.

    第一部門 技術本部 開発部

    J.M.(2009年入社)

    主に新規評価手法や、新規材料の要素開発を担当。
  • M.O.

    第一部門 事業企画室 事業企画グループ

    M.O.(2013年入社)

    エンジニアを経て、現在はプロジェクト進行調整、本社からの営業サポートなどを担当。

※所属は2025年2月28日時点

NICHIAの事業継続を支える幅広い分野のスペシャリスト達

今回は、事業企画、開発、知財の分野で活躍している皆さんのやりがいや相互連携についてお聞かせいただきます。まずは皆さんの業務内容について教えていただけますか?
K.T.K.T.

私は知財部出願課に属しておりまして、主に特許の出願をメインに担当しています。より良い製品や新しい技術、手法などが開発された際に、それらを特許として出願し権利化する業務です。また、他社の権利を侵害しないためのリスク評価や権利調査を行うクリアランス業務も担っています。

J.M.J.M.

リチウムイオン電池用正極材料の商品開発につながる要素技術の開発を中心に行なっている第一部門の開発部で、正極材料の新規評価技術の開発をメインに担当しています。例えば、正極材料の新しい素材や製造技術など次世代の開発に繋がるような要素を先取りして開発し、技術部に展開しています。

M.O.M.O.

事業企画室の事業企画グループに所属しております。プロジェクトの進行調整や営業サポート、事業継続していくための各種課題や法規制への対応、一部収益性の管理と取りまとめが主な業務内容です。そうしたことに対応するために、各関連部署と協力して体制を整えています。

事業企画グループは他部署との関わりの幅が広そうですね。どのような連携をされているのでしょうか?
M.O.M.O.

事業の規模が大きくなり、製品ジャンルや開発の裾野も広がっていく中で、各部署の意思疎通を図るために事業企画グループが出来たという背景があるので、関わる部署は幅広いですね。例えば知財部ですと、NICHIAの製品が持つ競争力を把握するために、競合他社の特許の調査などベンチマーク的な業務を依頼することもあります。開発部署とは、新規案件のスケジュールや予算などについて私たちで取りまとめることで連携をしています。連携なくして私の仕事は進みません。

J.M.J.M.

私は開発部署の中でも分析が主なので、事業企画とはまだそんなに連携が取れていないのですが、知財の方には「こういう特許ってあるかな?」など気軽に聞いたりしていますね。我々の事務所の方に来てくれる時には、軽い相談事などを立ち話ですることもありますよ。

K.T.K.T.

最近、技術部署の方たちと勉強会を行なっています。特許関連の業務には特許の知識はもちろん必要ですが、技術的な知識も必要になります。それと同時に、技術部署の人にも特許の理解を深めていただこうという目的で勉強会を開いています。

J.M.J.M.

行く予定だったんだけど、別の予定が外せなくてまだ行けてないんですよね(汗)。

M.O.M.O.

私もまだなんですが、チームのメンバー含めて知財について理解していた方がいいので、ぜひ次回ご案内いただければ!

技術マインドを軸に集まった専門分野を加速させるNICHIAの気質

それぞれの部署が関わりを持って日々業務を進めているんですね。皆さんの部署が持つ特徴や雰囲気はいかがですか?
K.T.K.T.

特許って難しそうな法律や書類仕事ばかりというイメージを持たれがちですが、実際は専門的な技術の知識も必要なので、むしろ理系の人の方が多いです。私自身も工学部出身で、大学院では電池材料の負極を研究していました。それぞれの理系の専門的な知識と共に、技術や市場など幅広い知識を得ながら活躍できる部署ですね。もちろん文系の方でも大丈夫ですよ!

M.O.M.O.

NICHIAの事業企画という仕事は、本当に広い範囲を包括的に捉えるゼネラリスト的な思考が必要になると考えています。うちは比較的新しく出来た部署で、他の色々な部署からメンバーが集まっているため、その傾向は強いですね。私自身も工学部出身で第二部門のエンジニアを経て、部門の事業企画や営業をしてきました。そうした多彩なメンバーでNICHIAのこれからの仕事を作っていくような部署です。

J.M.J.M.

NICHIAは技術者目線を持った会社なので、技術や開発の人間としては技術者冥利に尽きるといった部分はありますね。いい内容であれば提案したことを実行させてもらえますし、必要があれば予算もいただけます。複数の大学との最先端技術の共同研究についても全て承認してもらえるなど、技術者や研究者に対して上層部の理解がすごくあるので、必要性に応じて色々やらせていただける部署です。

「必要性に応じて色々できる」というのは部署を越えてNICHIA全体としての特徴かもしれませんね。そうした「NICHIAならでは」と思うことについて教えてください。
M.O.M.O.

J.M.さんのおっしゃるように、やっぱり技術の会社だなという感じはしますよね。1つの結果が出ても、それに満足せずにその本質を追求していくとか。そういう「技術マインド」というのは非常に強いなと感じます。それで勝負していかなきゃいけないっていう気持ちがありますね。

J.M.J.M.

個人的に感じることですが、上層部の方でも「さん付け」で呼ぶよね?意外と多くないですか?部長、課長、本部長とかまでは「さん付け」で呼ぶあたりに、フランクさっていうのはあるのかな。いい意味でそういうところも垣根がないなと感じています。

K.T.K.T.

必要性があれば予算をしっかりとってくれるという話がJ.M.さんからありましたが、特許の出願って皆さんが思っている以上にお金が掛かるんです。重要な特許ほどアメリカや中国、ヨーロッパなど各国に特許を出願するのですが、出願費用、書類の翻訳費用、現地の弁理士の人件費などで結構掛かります。詳しい金額は言えないのですが(笑)。

M.O.M.O.

特許を取る製品をどこの国で売るのかなど知財部だけでは判断できない内容について、事業企画部で相談をしています。これも重要な連携ですね。

それぞれの達成感とやりがいが大きな流れとなり成果をつくる

皆さんそれぞれの業務を通して感じる、やりがいや達成感はを感じた経験はありますか?
K.T.K.T.

色々ありますが、「これは、自分じゃなかったらできなかったかも」みたいな案件をクリアした時に、すごくやりがいを感じますね。常に特許と技術の両方を見て勉強しているので、そういう今まで積み重ねてきたものを活かして案件を達成した時、特に一人だけの力でそれができた時に感じます。

それはどのような案件だったんですか?よければエピソードも教えてください。
K.T.K.T.

NICHIAの製品が他社の権利を侵害していないかを細かく評価する業務があったのですが、確認しなければならない特許権が多数ありました。それをリスト化するのを2〜3日で終わらせたことがありました。基本的にひとりで作業をしたのですが、あれは自分だからこそできた案件だと思っています。

J.M.J.M.

それは凄いな!私のやりがいは、先取りした新しい技術がNICHIAの製品開発に応用された時に、やりがいを感じますね。私がしている評価という業務は、現状では不明点の多い技術が実際に使えるのかどうか、うまく説明のできない職人の勘や技術を数値化して誰もが理解できるようにすることなので、それができた時にも達成感がありますよ。

M.O.M.O.

新規案件のプロジェクトが立ち上がった最初は、ゴールレベルの設定や各専門部署の方向性が定まっていないのですが、打ち合わせや擦り合わせを重ねていくことによって徐々にまとまっていきます。最終的に1つのチームとなってその目標に向かって進んでいく大きな流れができた時に、「事業企画部として貢献できた!」というやりがいを感じます。

多くの専門部署が参画するプロジェクトは完了するまでにどれぐらいの期間を掛けるのでしょうか?
M.O.M.O.

プロジェクトの内容にもよりますが、3〜4年ぐらい掛かるものもあります。それぐらいの期間になると、当初の目的が段々と変わってしまうことがあって。変わっていくのはいい面もあるのですが、NICHIAとして本来目指すべきところを、それぞれの部署のミッションにもフォーカスしながら、俯瞰的に見て軌道修正をしています。

総合力を向上させるコミュニケーションとコラボレーション

それぞれの領域が重要な役割を担っていることがよく分かりました。そうした中で、皆さんが今後取り組みたい挑戦について教えてください。これからも新たな製品や技術の特許が増えてくると思いますが、K.T.さんとしてはいかがですか?
K.T.K.T.

技術的な知識をもっと深めたいので、将来的には技術部署に何年か期間限定で異動し、そこで得た知識をまた知財に活かすことをやってみたいなとは考えています。行ってみたら技術の方が面白いってなるかもしれませんね(笑)。でも今の気持ちとしては、やっぱり知財が好きなので、そのために行ってみたいです。

M.O.M.O.

K.T.さんが希望されるように、色々な部署を経験する人がもっと増えてもいいかなと思います。もちろん1つのことを極めたい人もいますが、より多くの知識や技術を得たい人に向けた仕組みや制度を作ってNICHIAの総合力を上げていきたいなと思います。

J.M.J.M.

個人的には、AIを使った業務効率化や評価、解析っていうのは今後ますます重要になってくるのかなと思っています。既にAIを使った画像処理なども導入していますが、そうすることで、人間にしかできない思考や他部署との連携の時間をより多く作り出すことができますよね。

K.T.K.T.

特許や知財の業務もAIと親和性が高いと考えているので、常に意識していますよ。個人的に勉強をして実際に試したり、セミナーを積極的に受講しています。

今回皆さんのお話を聞いて、事業企画から開発、特許出願の流れで、常に連携やコミュニケーションが十分あるのだと実感できました。
J.M.J.M.

そうですね、今後そういう機会がもっとできればいいですよね。例えば若手同士だけの交流とか。役職者だけが集まるのも必要なことですが、若手の意見はどんどん取り入れていくべきだと思います。それをできる風土がNICHIAにはあるので、この対談を機にぜひやりましょう!

M.O.M.O.

ぜひぜひ!NICHIAの競争力向上につながるようなコラボレーションを色々な場所でもっとしていけたらなと思いますね。電池関連は技術革新の変わり目に来ているので、また新しいプロジェクトが出てくる時には、皆さんご協力よろしくお願いします!

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